一輪。また、一輪。大きな川にかかる橋の上。そこを歩きながら、川面に向かって次々と花を落としていく。買ったときはあんなに綺麗だった花々が、今は水の上に連なって寂しく流れ去っていく。本当は君へと贈るはずの花たちだったのに。君の幸せを叶えるのは僕ではなかったから。「さようなら」ただの飾りとなった花束に、僕はそっと別れを告げた。【花束】
2/10/2023, 5:55:51 AM