「雨に佇む」
強過ぎず、弱過ぎずの丁度いい感じの雨降りの日。
家の窓から外を眺めると、スカイブルーの傘を差した女性が佇んでいた。
雨の日は気分が下がりがちだから、暖色系で鮮やかな色が似合うと思ってたけど、スカイブルーも綺麗だな、と思った。
家事を終わらせてふと外を見ると彼女はまだそこにいる。
待ち合わせかな?と思いつつ、やる事に追われて時間が過ぎる。いらない物を振り分けして、処分して。十分吟味して断捨離をしていく。
休憩してふと外を眺めると、スカイブルーが目についた。かなりの時間が経ったのに、彼女はまだそこにいる。
いつまで居るのだろう?何をしているのだろう?どうしたいのだろう?気にはなるけど、やらなければならない事が多すぎて、構ってはいられない。
夜になってやっと作業が終わった。後は細かいゴミの処分だけ。やりきった達成感で気が抜ける。
目の端にスカイブルーがうつる。嫌な空気を感じて振り向くと、彼女が目の前にいた。
さっき私がゴミ袋の中に入れたのと同じ顔がそこにある。恨みがましい目で私を見ている······
8/27/2024, 12:45:55 PM