あの時こうしていたら…、なんてよく考えてしまうけれど、もしかすると、選ばなかったもう一つの世界は並行してあるのかもしれない。意識は、すっとその世界へ移れるのではないか。
もう一つの世界に入るとしたら、あの場所ではないかと思うところがある。特別な場所という訳でもなく、住宅街にある踏切だ。電車の線路が横にずっと続く。
普段は、人や車、自転車がひっきりなしに通る。でも、時々誰も何も通らない静かな瞬間がある。踏切の先に見える住宅や公園が、しんと静まり返っている。
確かに存在するけれど、それらは、まるで作り物でミニチュアの世界に入り込んだような感覚。一瞬、時間が止まったように感じる。そんな時は、もう一つの世界へ入っている気がする。
「パラレルワールド」
9/26/2025, 7:16:07 AM