【叶わぬ夢】
①
彼の瞳に写りたい。
私が恋する彼は、いつも人に囲まれている。
私が恋する彼は、いつもニコニコしている。
私が恋する彼は、いつも背筋が伸びている。
私が恋する彼は、いつも成績でも学年上位。
私が恋する彼は、いつも全てを完璧にする。
私が恋する彼に、欠点など無い。
そう、思っていたのに。私は見てしまった。
―――彼の真っ赤な照れ顔を。
誰に向けていたものかはわからない。知りたくなくて、相手の顔は見ないようにした。
叶わぬ恋で、叶わぬ夢だということはわかっている。でも神様。本当にいるならば、この夢を叶えてください。
「彼の瞳に写りたい。」
②
保育園の先生「大きくなるほど小さくなるものってなーんだ?」
子供の頃の私「洋服!」
鬼上司「あのねえ、〇〇さん。いつも言ってるでしょ?できればできるほど小さくなっていくものは?」
今の私「やる気です。」
鬼上司「大きくなるほど小さくなっていくものは?」
今の私「データの容量です。」
叶わぬ夢だということはわかっているが、時を戻せるのならば、幼い純粋なあの頃の私に、世界の残酷さを教えてあげたいものだ。
3/17/2025, 11:54:46 AM