夢路 泡ノ介

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秘密の花園に、可憐な貴女。
見つめる子鹿と小鳥に囲まれて、
柔和に微笑んで触れ合っている。
そして大きなドレスを両手で浮かばせ、
歌いながらくるくる回る。
穢れのない幸せを噛み締めながら、
貴女は小さな従者たちを連れて湖畔へと向かった。

貴女は微睡から醒める。
白いカーテンが靡き、微かにすり抜ける日差しに柔肌を照らしている。
軽くなった瞼を開け、白く薄いブランケットに包まれた体を起こす。
おとぎの姫様に憧れていた乙女心に、思わず目を細めて笑みをこぼした。
歌詞は忘れてしまったけれど、
小気味のいい、オスティナートの旋律だけが、
貴女の忘れていた、昔の優しさを思い立たせてくれる。

【ラララ】

3/7/2025, 11:24:16 AM