#40 誰にも言えない秘密
まあ言えたら秘密じゃないもんね。
そんな捻くれたことを考えながら、
思い浮かんだのは、「おうさまの耳はロバの耳」
ある日。町の床屋が「最近床屋が減ってきてて変だなあ」とボヤきつつ、帽子被りっぱなしで有名な王様の散髪に行ったら、なんと耳がロバだった。という話。
秘密を持つ苦しさを、誰もいない場所に掘った穴へ叫ぶことで発散させていた床屋。
最終的に「バレてるんじゃあ仕方ない」と開き直って帽子を脱いだ王様。
威厳を保つために、自分で髪を切る努力をするより人を◯す方が楽だと考えている王様がこわい。
でも時代を考えると、その威厳こそが王様業には大事だったのでしょう。
誰にも言えない理由は何でしょう?
王様は羞恥心、床屋は職務上の守秘義務。
あとは犯罪、道徳、風潮、こんなところですかね。
私にも言えない秘密がありました。それが重苦しくて、心が潰されそうになったり、こっそり人に漏らしたりもありましたが、
今は「あえて話すでもないことだから言わない」ぐらいになりました。
内容は、ネットからでも個人特定できる時代ですから、決して言いませんけど。
「しない」は自分の自由意思によるものですが、
「できない」はそれに関係のない強制です。
誰にも『言えない』秘密を持ち続けることは、
帽子をひとつ被り続けているのと同じ。
王様のように心に歪みが生じる可能性があるので、ご注意を。
守りたい人がいるなら、
その人に秘密を持たせてはいけません。
床屋のように命の危機に晒してしまうかもしれませんよ。
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余談ですが、
ウィキでは、ロバ耳の理由は神々が楽器について言い合ってるところに自分の意見を言って怒らせたせい、となっています。
自分を認めてほしくて人を試していたのかも?いやでもねーって話ですけど。
自分が改心すれば下々に受け入れられる(と思っている)ところは、走れメロスと似ているなぁと思いました。
6/5/2023, 5:37:52 PM