12歳の叫び

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このガラスの容器は、広いようで狭くて、けれどやはり広いような。
あまりよく分からないガラスの容器。
けれど、第三者から見ると、見ただけでは広いと思える。だってそれは、自分が100人分入れる大きな容器だから。
そんなもの見たら、広いと思える。じゃあ、なんでこの地球は狭く感じるのだろう。自分が何億人以上入れるほど広いのに。なんで狭く感じるの?――
定期テストがやっと終わった最終日、私は自転車を押して、家に帰る。
私、思うんだ。広い世界にいたいと思うのに、行く努力なんてしてないなあって。
広いガラスの容器の中にいるのと、その外側にいるのでは、外側にいる人が広い場所にいることになるけれど、私はその外に行く努力をしているのかな?
ていうか、そもそも広い世界ってどのことを言ってるの?面積的に、心的に、見た目的に、色々あると思うのだけれど、私はどの世界のことを言っているのだろうか。
「こんにちは〜」
「こんにちは」
道ですれ違う人に挨拶をした。とても心地よかった。だって、言葉が帰ってきたから。誰かの1番になれない辛さなんてもう無くなっちゃったもん。
道ですれ違う人に挨拶するだけで私は幸せになれる。そんな小さな幸せが大きく感じられるのは、狭い世界にいるから。
だから私は、狭い世界にいるのかな?だから私は、この居心地のいい狭い世界を愛してるのかな?

6/5/2024, 7:52:03 AM