夢見る少女のように、絵本のお姫様に私は憧れていた。華やかなドレスに身を包み、格好いい勇者様やら王子様と恋に落ちる。
分かってる。分かってるよ。やっぱり、現実とは違うって、今の自分を省みる。学校では虐められ、家では親から成績の事ばかり言われ、毎日のようにできるアザや泪の跡さえ気づいていない。誰も助けてくれない。誰も私を気にかけない。
だから、嬉しかった。貴方が私の手を引いてくれたから、私は救われた。ずっと私の側にいてくれた。
夢見る少女のままじゃ生きていけない。けれど、貴方は私にとっての王子様だった。
6/7/2025, 11:53:35 AM