最初は凄く混乱した。
死んだはずなのに気がつけば知らない場所に、知らない人。そして知らない自分。
たがすぐに自分が生まれ変わったのだと気付いた。
比喩じゃなくて、物理的に。
神様もずいぶんといたずらっ子なようで、おれは“おれ”ではなくなっていた。これも比喩じゃなく、物理的に。
おれはこの世界の知識を得るために城の中にある図書館に籠もり、歴史などの書物を読み漁った。
しかし、そこで気づいてしまった。
本当に自分が普通ではないことを。そして、普通でなければいけないことを。
おれが普通じゃないことがバレればどうなるか分からない。
どうしよう、どうしよう、どうしよう………
ーおれは、どうすればいいの?
そう問いかけ、すがりつける相手などいるはずもなく、その問いが口から出ることは無かった。
…………………演じなければ。
“おれ”がバレないように。“私”を演じなければ。
大丈夫、きっとできる。
ろくに人と関わって来なかったけど、唯一一人だけ、女性としての人物像が撮れている人がいる。
彼女のようになれるとは微塵も思わない。それでも、演じよう。
見てくれだけでも繕って、“私”をー
ーロコ・ローズを演じよう。
ーどうすればいいの?ー
ロコ・ローズ
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11/21/2023, 11:16:06 AM