たくちー

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 今年は飛躍の年だといわれていた占いの結果が完全に信頼できなくなった。とりあえず今日、会社に顔を出して"無理だ"と思ったら辞めるかもしれない。仕事を振らない社員。凍えそうな工場。後半になるにつれ長くなる勤務時間。一年後に同じ生活を続けられているとは思えない。能動的に動くように求められても"何か仕事はありますか?今はない"といわれるだけ。多分あるんだろうけど他人に任せて余計な手間や仕事が増えるより自分でやった方が都合がいいのだろう。辛い時間を潰せるような仕事なんて新入社員は持っていないんだ。脳死で次の作業に向かえるベテランの方が楽に見える。石油ストーブの前でただ立っているだけの時間は周りの視線が痛いのに、どうしようもない。"社長、これ以上は無理です。続けられません"。嫌な方ばかり考えていると仕事も嫌になると言われるけど、だったら他の社員に任せないで新人教育のプランを考えてほしい。このままだと今日で心の糸が切れてUFOキャチャーの景品口に辞表届けを入れることになる。早起きして雪掻きする父。励ます母と兄。保険の変更手続きを進めている会社の事務員や市役所の職員。期待を裏切るのは辛い。でも会社を辞めればエンカウントしなくなるような他人の好感度の為に自分を犠牲にしたくない。今まで覚えた仕事のスキルも辞めてしまえば無用の産物だ。もはや若くない。辞めたら残りの人生は働かないだろう。それはそれで苦しい人生になる。好きなことをやって金を稼ぐなんてことは何度も試したが、普通の仕事時間もまともに働けないくせに自営業なんて上手くいくはずがないんだ。今日は少し熱っぽい。過労で倒れるか吐くかして何らかの休むこじつけが欲しい。とりあえず会社に顔だけは出す。その後の対応が不十分なら途中で帰るか社長に相談するか、いずれにせよ天秤は完全に辞める方向に傾いている。これはボクが悪いのだろうか?それとも教育プランがしっかりしていないから?このままだと死んじゃうなと本気で思う。そういえば『街へ』というお題だったね。ごめん。それどころじゃなかったよ。この文章も誰かの期待のために書いているのだろうか?もはや何も分からない。ただ眠るように息絶えたい。


追伸

 とりあえず会社に顔を出した。凍える工場の石油ストーブの前で手を温めていたら工場長が現れた。「他の人は早くに来て雪掻きしてるんだから一緒にしないと駄目だろ。今はもう終わったからいいけど」言葉にならない"え、あっ、うっ、あ"。「もう仕事続けられないです」社長より先に話した。態度が変わる。「そんな覚悟じゃ何処でだって働くのなんて無理だろ。周りの社員も忙しいなか教えてやってるのに」貴方から教わったことはない。この場に来なければ一生会わない人間の好感度の為に自分の人生を費やす気はない。出勤のタイムカードを押した5分後には退勤のタイムカードを押していた。やーい、また逃げた!最低最悪の人間だと思われても構わないと思った。家に帰ってから社服や退職手続はどうしようかと思ったが、もはや生きる気力がないんだ。生きる為に逃げ出した。人生は罰ゲームだ。なぜこんなにも苦しいんだ。お金は大事だが、その為に死ぬわけにはいかなかった。逃げて逃げて逃げ続けて生きる。どうせ死ねば灰になる。


おばあちゃん、ごめんね。ボクうまく生きれなかったよ。昨日はおばあちゃんの誕生日だったね。会ってお話したいな…。自然と涙が溢れる。また会いたいよ。


題『街へ』

1/28/2026, 8:20:54 PM