星月夜は秋の季語らしい。
月の出ていない満点の星空が、乾き始めた夜の空気によって美しく見える。
そんな秋の夜を、星月夜というらしい。
今日も月は出ていない。
黒く染まった夜空の下に、星がいくつも落ちている。
建物や街路樹につけられたイルミネーションだ。
青や黄や赤や緑に、キラキラと、光り輝いている。
今は真冬。
どんよりとした暗い雲が、空を覆っている。
こんな夜も、星月夜と呼べるだろうか。
そんなことを考えながら、地上の星…イルミネーションを眺める。
冷たい風はカラッと乾いていて、空気は鋭く乾いている。
秋の星月夜は、貴方と一緒に見た。
昼間に貴方と、紅葉を狩って、秋晴れの空を眺めて、それから二人で星月夜を見た。
ひんやりとした人肌恋しい空気に、貴方との会話が暖かかった。
そんな貴方はもういない。
私の隣には、乾いた冴えた冬の空気が抜けていく。
乾き、冴えた空の空気は、イルミネーションを美しく輝かせている。
冬の星月夜は地に落ちた。
イルミネーションは、今日も美しい。
乾いた空を見上げる。
黒い黒い夜空が一面に広がっている。
冬の冴え冴えとした空気の中を、イルミネーションが、くっきりと光っていた。
12/15/2024, 9:45:14 AM