夢月夜

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『窓越しに見えるのは』

突然の夕立に遭ってしまい髪も服も鞄もびしょ濡れになってしまった私はツイてないなぁと独りごちつつ水を跳ねさせながら駆け足で家路についた。

身体も冷えてしまえば今日は湯船に浸かろうと風呂を沸かし、リビングで髪をタオルで拭きながらふと窓に目をやると、いつの間にか雨は止んでいて。
ほんの少し帰宅時間がズレていれば雨に降られなかったのに、と溜息をついた私の瞳に映ったのは雲間から差し込んだ太陽の光に照らされた七色の輝き。

窓越しに見えた美しい虹に、先程まで暗い気持ちだった私の心は晴れやかな空と同じように清々しくなっていた。

7/1/2022, 11:20:16 AM