ストック

Open App

「異世界へ行く方法」という都市伝説が少し前に流行っていたことを思い出した。
やり方は何種類かあって「あるおまじないをして眠って、目が覚めたら異世界にいる」「ある特定の場所で特定の行動をしてから、自分が最もやりたいことを念じながら電車に乗る」「身近なものである呪術的な行為をすると異世界に行ける」などなどバリエーションがいくつもあったことを覚えている。
しかし、その「異世界」がどんなところかは深く語られていなかったように思う。

共通していたのは「やろうと思えばできる方法」であったということ。
そして「異世界から帰ってくる方法は語られていない」ということ。

都市伝説がどうやって生まれるのかは分からないが、広く伝播されるということは、きっと「ここではないどこか」へ行ってしまいたい、ここにはもう戻りたくないという顕在的か潜在的な願望をもつ人々が大勢いたのかもしれない。
そう考えると、なんだかもの悲しい。

まあ、私もその一人なのだが。

6/27/2023, 10:34:46 AM