友情
ボクはキミと出会えて、とても嬉しかった。
嬉しかったのに、キミはひどいことをした。
ひどいことをしてしまったことの事情を
キミはずいぶん長い間、ボクに話してくれなかった。
ボクと島へ旅行したいとキミは誘い、
夜の海の波打ち際で共に素足になると、
やっと話してくれた。
こんな話信じないだろ、オマエは。
信じがたいけれど、信じるしかない。
……信じて、くれるんだ?
内容は信じられないけれど、キミを信じたい。
……オマエ……強いな。そういう、オマエにだから話せた……。
キミは泣いていた。
あの日のボクも泣いていた。
ボクはキミと同じ立場になっても、
キミのようにはできなかっただろう。
ボクがひどいことをされたことは変わらないけれど
キミが事情を、理由を、秘密を明かしてくれたから
ボクは砂まみれの足を海ですすいだ。
キミは海で顔をすすいだ。
ボクたちはこれまでも、これからも……
7/24/2024, 1:41:34 PM