布団に潜り込んで来た相手の足があまりに冷たくて思わず声が出た。「さっき湯舟から出たばかりだよ?」そういう相手の髪は確かにしんなり濡れていた。一方で自らの足を構わずこちらの足に絡めて来た。まるでこちらの熱をその足で舐めとるように。だが今度はその足をさせるがままにして、──明日の朝は布団から出るのに苦労しそうだ。そんな予感を抱きつつ眠りについた。『冬のはじまり』
11/29/2023, 12:39:42 PM