私には帰りたい場所なんてない。懐かしい光景も、浸りたい思い出も、何もない。手に入れることができなかった。そんな眩しいものは、弱い私には掴み難かった。向かう先はもうどこでも良かったのだけれど。雑多な存在が溢れる場所の方が、空虚な自身が紛れるかと思ったのだ。だから私は。こうして街へとやって来た。【街へ】
1/29/2023, 7:48:25 AM