君が足りない物はここにある。
だから、おいで。
貴方は私の目を見てそう言った。
だけど、私はその目に応えなかった。
だって、その目には後悔の色が滲んでいたから。
だから、私は逆に言ってやった。
「私が足りないのは、貴方の方なんじゃない」
貴方は今にも涙が溢れそうな目を見開いて、私のお墓の前で辺りを見渡した。
「私は何時までも待ってるから、長生きして」
遂に零れ落ちた涙が地面を濡らした直後、貴方はこう言った。
「愛してる」
貴方が足りないものは、ここにある。
#ここにある 0827
8/28/2025, 7:36:22 AM