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うふふ。君は笑って俺の周りをくるくる。
酔ってるなぁ。可愛いなぁ。俺は君の腰を掴んでさらにくるっと一回転。

「なーんだよお、よってんのかぁ〜? 」
「酔ってるのはそっちだろ。今日楽しかった?」

俺がそう言うと君は顔をくしゃっとさせて大声で、

「楽しかったー! みーんな一緒で、いーっぱいのんだー!」
「そーか、そーか。俺も楽しかった!」
「うん、しってる。だからおどろっ」

深夜の道の真ん中で、君はくるくる。俺もくるくる。ケラケラ笑って、たまに抱きしめて。
こんなダンスしたことないね。いつもとは違うダンスだ、まるで舞踏会で踊るように。
君はお姫さま? 俺は王子さま?

「あはは、俺だって王子さま〜っ! これは〜、王子さまのダンスなの〜!」
「はは、そうだな! 俺たちは王子さま。いつだって、お互いにとってな!」

王子さまたちは手に手をとって踊り続ける。そうしてふたりは深夜の道の向こうに消えて行きました、とさ。


▼踊るように

9/7/2023, 3:00:05 PM