お題 君の目を見つめると
夜景の綺麗な高層ビル。
君の髪が静かになびく。
愛しい君の硝子に焦点を合わせる。
自然と笑みがこぼれた。
いつもと変わらない、透き通っていて綺麗な瞳。
でも、なぜかそこには泣いている僕が映っていた。
そんなわけないのに。
自分でも何が起きているのかわからなかった。
でも、君の瞳の中の僕は確かに泣いていた。
「全部嘘だった」
「助けてほしかった」
「本当は苦しかった」
「君に気づいてほしかった」
そう言いながら貴方は夜景に溶けていった。
貴方が初めて涙を流したその日、
私は貴方の手を取れなかった。
貴方が風を切る音だけが小さくこだました。
私が最期に見た貴方は笑っていた。
4/6/2026, 2:00:32 PM