辛い。苦しい。やめたい。終わりが見えない。もがいてももがいても遠のくばかりだ。
いつになれば終わる? どうすれば終わる?
答えなんてわからない。どこにあるのかもわからない。
俺はあの日に帰りたいだけなのに!
俺のしていることに意味はあるのか? ただ無意味に時間を浪費しているだけではないのか?
……もう、もう、疲れた。
いっそのこと全てを投げ出して大暴れしてめちゃくちゃにして今までやってきたことを全部壊してしまおうか。
「大丈夫。いつかきっとなんとかなる!」
落ち込んでいる俺にあいつはいつもの屈託のない笑顔でそう励ます。
……ああ、まただ。こいつは弱音なんか吐かない。本気でいつかきっとなんとかなると思っているのだろう。
だがそれはいつだ? いつなんとかなると言うんだ?
俺は今すぐにでも帰りたいんだ! お前なんかと違ってな!
……そうぶちまけたい衝動に駆られるが必死に我慢する。
まだ仲違いをしてはいけない。こいつの力がなければ過去に戻る錬金物は作れないのだから。
……だが、俺の中に巣食う焦りや怒りは確実に俺の心を蝕んでいった。
だから、ある日、ついに……手を汚してしまった。
錬金素材のためだった。あれがなければ錬金は完成しないとわかっていたから。
それを知ったあいつは……案の定と言うべきか、ショックを受けていた。
だが……もう後戻りなどできない。
作らなければ俺が次何をしでかすかわからない。そんな思いであいつは研究を続けているのだろう。
つくづくお人好しなやつだ。
……そう思ってしまう俺はもう、破滅への道を順調に歩いてしまっているのだろう。
あともう一歩だけ、もう一歩だけと思っていても自力で止められはしない。
……あいつならば、止めてくれただろうか。
いや……そもそもお互いのことをもっとよく知っていればこんなことにはならなかったのだろうか?
……たらればを考えても詮無いことだ。なのにどうしても考えてしまう……
ああ……誰か、助けてくれ。俺を止めてくれ……
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ドラ◯エ10のver4に出てくる某キャラが元ネタ(?)です。
ドラ◯エ10の無料体験版の範囲がver4.4まで拡大されるので、よかったらぜひ遊んでみてください。
8/25/2025, 3:35:25 PM