サムザ

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どうすればいいのか、
だいたいそう自分に問う時点で答えは
出ていることが多い。
しかし一度だけ、真摯に自分にこの問いを向けた
ことがある。

それは、先に言ってしまうと、
下痢に襲われた時だった。
汚い話でごめんなさい。

その時は高速道路上で
私は助手席、運転手は異性だった。
あれ…
と思ってから冷や汗が出るまでが早かった。
やばい、これは…
というころには、私は全力で肛門を閉めていた。
次のサービスエリアまでは10分だった。
10分…。
この長さは経験した者にしか分からないと思う。

どうする、どうする、どうする私!?
私は自分に何度も問うた。
肛門の筋肉は耐えられても40秒と聞いたことがある。
それは困る!
40秒後にもう一度力を入れ直してみればいいのか?
ビニール袋は?ない!紙おむつもない!
どうする、どうする…どうする私。

意識の大半が黄門様に注がれているためか、
だんだん問いが本質からズレてくる。
さっき食べたなか卯の牛丼のせいか?
ここで爆破した場合、この異性のリアクションは?
二人の未来は?
幸い今日はスカートだから、着脱時の刺激は少なそうだが、待てよ、
着いてからトイレまで、走れるか?
そこで誤爆した場合…?

車は最後の急カーブにさしかかった。
ああ、もうダメかもしれない。
なぜ女性に生まれたんだろう…

最後はもう訳の分からない問いになっていた。

なんとか着いて、なんとかなった。
水戸様には感謝してもしきれない。

どうすればいいのかって?
ワシにまかしておけばよいのじゃ、
フォッフォッフォッ。(水戸様の声)


高速道路は要注意です。






11/21/2022, 1:08:14 PM