お題『帽子かぶって』1/29出題用(再投稿)
※お題『明日に向かって歩く、でも』の続きです※
麦わら帽子を届けたお礼に秋更(委員長)の家で麦茶をご馳走になってしばらく経つ。自分より年下の女の子に少しだけ悩みを打ち明け、心が軽くなった芳野(よしの)は何かお礼がしたいと言い出した。
芳野「麦茶ゴチになったし、なんかお礼させてや」
委員長(可崘)「急にそう言われましても……」
元々は自分の麦わら帽子を拾ってくれたお礼がしたかったから誘っただけなのに。この芳野という男“礼をもって礼を尽くす“人間なのだろうか。委員長が戸惑っていると客間の戸が2回叩かれた。委員長は返事をする。
祖父「可崘、まだそこに青年はいるのか?」
青年、芳野さんのことだろう。2人は互いの顔を見合わる。芳野は立ち上がり、客間の戸を開けた。
芳野「あ、すみません。長居して。オレそろそろ帰ります」
芳野は祖父に一礼する。すると祖父は芳野に帽子を被らせた。
祖父「まだ日が高い。帰るならその帽子被って帰りなさい」
芳野「え?あ、はい。ありがとうございます」
委員長「芳野さん、先ほどのお礼の件ですが。もしお暇でしたら夏休みの間祖父と一緒に畑を手伝って頂けませんか?」
芳野「えぇよ。けど、ホンマにそれでえぇんか?」
委員長「はい」
祖父「??……なんだか、話が見えないが芳野さん。もし暇なら今から少しだけ手伝ってもらえますか?」
芳野「あ、はい」
委員長は芳野に手を振り、後で自分もそちらへ向かうと言い芳野と祖父を見送った。
End
〜委員長編 とあセカ原案98話〜
1/28/2025, 10:07:33 AM