22時17分

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どこ?

ひたち車窓からぼーっと茨城の田舎を見ていたら、消防車が見えた。すぐ後ろには白い車……救急車が。消防車と救急車が両方とも出動している。
旅行者は、列車先頭から見て左側の窓際の席に座っていた。赤白の車両は左へ逃げていくような、遠ざかる走行になる。少しのあいだ並走したが、こちらは特急なので、すれ違い通信のように後ろへ。

消防車と救急車が続けざまに出動要請か……。
旅行者はどっか行った景色を考える人になった。
消防車の同席が引っかかったのだ。山の緑の目立つ車窓では、遠くもよく見渡せる。別段煙などは見当たらなかった。
もしかすると、救援者の「火事ですか、救急ですか」もなく、ただ電話だけされて出動したのだろうか。と思ったりした。

救急車は必須だとしても、その場合消防車は結構ついでだ。サイレン代わりとして呼んだのだろうか。遮音性の高い特急では、外の世界は分からない。場所だけ分かってもすべてを把握することはできない。その場に行ってみないと経験にならない。
日常生活が閉じていくように、緊急性も閉じられて密閉されて。ジップロックに入れて冷凍庫へ。
そうなる前に、無事でいてくれればいいけど。

3/20/2025, 9:04:00 AM