代理(特に何も無い学生)

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連続殺人犯は愛を知らなかった。

最近世間を騒がせている連続殺人鬼が居た。

殺されている人は様々で、無差別殺人鬼なのでは無いのかとも言われているのだ。

だけどそんな恐怖に怯えている世間は、犯人の跡を付けることに成功し、犯人は捕まったのだ。

警察の俺は犯人の何故殺人をしたのかなどを聞くことになった。

俺「何で連続殺人なんかしたんだ?」

これで正直に話す奴は基本的には居ないけど、やっぱり最初に聞くのはこれ。

目の前に座る殺人犯は意外にも大人しい。

相手が来る覚悟で来たが、案外にも大人しくて俺は変に冷や汗をかく。

連続殺人犯だ、ずっとマトモな事は無いはず…多分。

すると、殺人犯は軽い口で話をし始めたのだ。

殺人犯「好きだったからです。」

俺「好き…だったから?」

殺人犯「はい。」

俺が意外な返答にそう聞くと殺人犯は笑った。

殺人犯「ずっとー…好きでした。彼奴の事。」

俺には一瞬だけ殺人犯の目の中が切なくなったようにも見えた。

俺「好きなのに何で殺しなんかしたんだ?何で他の人を巻き込むような事をしたんだ?」

殺人犯「誰にも取られたくなかった。だけど、彼奴
は俺と付き合ってる時に他の人を好きになったからって別れを告げてきました。
だから俺はそんな目を潰し、一生元に戻らないように石を詰めました。
最後まで彼奴は俺の名前を呼び続けました。
だけど俺は目の見えなくなった彼奴の居る家を放火した。
両親は直ぐに俺が犯人だと察し、家まで来ました。俺に暴行して来た。
だから俺は両親も最後まで愛を持ち、殺害しました。原型が無くなるまでグチャグチャにしました。
そして彼奴と彼奴の両親には何も関係の無い地域の奴等も押しかけてきたから、俺は殺した。」

全ては犯人の中の"純愛"がこの事件を巻き起こしたのだろう。

殺人犯は何時の間にか俺の手を握っていた。

何だか普通の人間の手とは違うように感じる。

様々な業を背負っている殺人犯の手。

俺「!?」

殺人犯「警察さん。俺と約束してください。俺を折角捕まえるのなら最後までしっかり見ていて下さい。目を離した瞬間…どうなるか。」

コイツの目は狂っていた。

俺には頷く以外選択肢など無かったのだ。

12/21/2024, 10:02:21 AM