狐コンコン(フィクション小説)

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貴方から告白してもらった時、私は断る理由がなかったから頷いた。

だって貴方はいつも優しくて、面白くて、一緒にいてとても楽しかったから。

でも私、こうも言ったわ。

「まだ、これが恋なのか、友愛なのかわからないの。それでも私でいいの?」

貴方は照れくさそうに頷いた、だから私は貴方とパートナーの関係になったの。

でも、関係を結んですぐ貴方は毎回同じ言葉を口にするようになった。

「俺はパートナーだよ?」
「俺は君の彼氏なんだよ?」

本当に酷い人。

怖がりな私の手を引いてくれる姿を信用していたのに、裏切ったのよ。

貴方の愛は私に向けてじゃなかった。

彼氏という立場に憧れて、それを掴むために私を利用しただけ。

友達の関係だった時はあんなに楽しかったのに。

今は貴方から何か感情を向けられても、風みたいに私の体を吹き抜けて、そのまま何処かへ消えてしまう。

ひどい、ひどい。

いっそ、肉体でも目当てにされていた方が良かったとすら思える。

だって私じゃなくても良いんだもの。











でも、貴方に伝える勇気が出せずに、こうやってうずくまってる私も他から見ればきっと同じ酷い人なんでしょうね。

11/19/2025, 5:35:40 PM