宵風に吹かれたい

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色っぽい唇の紅が大好きだったよ。

キスをすれば移るし、食事の後は必ずお手洗いに行くけど、そんな君が大好きだった。

何年経っても僕とのデートではその紅を塗る。
お決まりのレストランで、お決まりのコース料理。
それでも君は喜んでくれる。
デート前に鏡の前で変わらない紅を塗る君。そんな君の準備を待つのが楽しいよ。

結婚して何年経ったかな?50年以上は経ってるかな?今年は1人。思い出のレストランにきたよ。

君の紅が僕に移らないなんて、僕には想像できなかったのにな。

11/23/2025, 8:08:06 AM