声が聞こえる
ー・・・
どこからか声が聞こえる。何を言っているのかわからないけど、確かに聞こえる。
雨のせいでかき消されそうな音の中、さっきと同じ声を探す。気づけば、狭い路地裏にまでやってきていた。
聞こえた声なんて無視してしまえばいい。
誰も自分を責めたりしないだろうし、そもそも関係ないとつっぱねるだろう。
でも、私にはできない。そんなこと。
「キュー・・・」
力を振り絞って声を上げる。大声ではなく、聞こえるかさえあやしいものだった。
「ーこんなところに、子犬がいる?!」
それが私とあなたの出会いだった。
前回のあなたがいたからの続編です。(みけねこ)
9/22/2023, 1:04:39 PM