昔の記憶が頭の中で甦っては消えていく。
声も顔もかろうじて思い出せるくらい掠れているのに、君と出会って別れた事実だけは今でも色褪せずに残っている。
暑かったのか寒かったのか、昼だったのか夜だったのか季節も時間もセピア色で掠れて分からなくなっている。
それなのに、君と出会って僕の死んだような心が動いたことだけは確かだ。
君の姿は、眩しいくらいに輝いていて、火傷しそうなくらいとても熱くて、泣きそうになるくらい切なくて、溺れそうなほどに苦しくて、声も出せないくらいに悲しくて、無防備な僕の心を殴り付けては動かしてくる。
あのときも…あのときも…あのときも……
競いあえる君がいたから、大切な貴女がいたから、尊敬できる貴方がいてくれたから、頼りになるお前がいたから、そして…あなたがいたから…。
-今の私がいる
6/26/2023, 2:11:07 PM