此処

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今日、明日、過去、不安。
今日した失敗が、後ろから熱烈なハグをくれる。やめて欲しい限りだ。

「ねえ、眠りたいんだよ」
「反省も大事だよ?君もわかるでしょう」
「過去をうじうじ悩んだってしょうがないだろ、僕は、明日に行きたいんだ」
「でもさ、忘れられないだろ」
「わかりきった事いうなよ」

眠りにつく前の押し問答。まさにのれんに腕押し、ぬかに釘打ち…イヤになる!

「離せよ」
「そればかりだね」
「僕の願いはそれだけだからね」
「明日も失敗するよ」
「今日よりはマシになる」
「確証は?ないでしょ」
「あると思う?」
「…ねえ、停滞を選んだ方が楽だよ。僕のハグも、少しの間は冷たくなる」
「止まることはできない。止まったら、歩き出すのが辛くなる。そのことを知ってるから」
「…強いね」
「うん。だから、眠らせて。明日に行かなきゃ。止まってはダメなんだ。歩かなきゃいけないんだ」
「泣きたくっても?」
「泣きたくても」
「止まりたくても、?」
「止まりたくても」

「僕は、歩かなきゃ、いけないから。…おやすみ」

11/3/2022, 8:55:22 AM