理沙ちゃんは、おばあさんであるイザベラさんに尋ねた。
「ねえ、おばあちゃまは運命の赤い糸をどう思う?」
イザベラさんは少し考えてから答える。
「そうね、運命の赤い糸というものがあるとしたら、その糸は1本だけじゃなくて、きっと何本かがあるんじゃないかしら。
そうだとしたら、その中から自分で1本を探して見極めて結ばなければ繋がらないわよね。
運命なんて自分の選択や行動次第で変わるのだから」
「じゃ、おばあちゃまの国際結婚もロマンチックな運命に任せただけではないのね」
「そうよ。でもロマンチックな想いはステキね」
と、イザベラさんは言う。
イザベラさんは若き日、フランス留学中の浅倉画伯と知り合って結婚し、日本に帰化したのだ。
「赤い糸」
6/30/2024, 3:07:50 PM