お題 大好きな君に
花束を抱え、僕は走る
地平線に消えていく光の最後の輝きが、街を照らす
「ありがとう」と君に言えなくて、花に頼ってしまう情けない僕だけど
何時間も迷って選んだこのブーケの気持ちに嘘はないから
なけなしの勇気を集めて、伝えるよ
ガーベラに似た明るさも、かすみ草のような優しさも、向日葵のような大輪の笑顔も
僕の小さなコップには収まりきらないけど
いつか、丸ごと受け止められる大きな花瓶になるから
どうかその日まで、君の花が枯れないように
僕を傍で見守らせてくれ
「お帰り、ご飯できてるよ」
ドアを開けるや否や、僕は後ろに隠してた手を差し出す
ただいま、今日も愛してる
3/5/2023, 8:36:52 AM