光と影
俺の生きる世界は闇の世界。影の世界。
暗くジメジメした世界だ。それでも、この世界を恥じたこともなく、俺なりに楽しく生きている。家族もいる、友達もいる、食べる物もある。普通に生きている。
少し顔を出せば明るく光輝く世界が広がっている。そこに憧れはない。
「お母さん!おイモがたくさんあるよ。」
「本当ねぇ。頑張ってお芋掘りして焼き芋にしましようね。」
「わーい。焼き芋大好き。」
今日は、上の世界が騒がしい。俺たちの住処が掘り起こされていく。
やめろ!
危ないだろ!
そこは、俺たちの学校だ!
あ!友達が捕まった。助けたいけど、俺には無理だ。
「キャー。ミミズ〜」
「ミミズがいる土地は土がいいのよ。美味しお芋ができているわよ。さあ、頑張りましよう。」
「はーい」
俺たちの世界が、学校が、住処が、破壊されていく。光の世界に住む人間によって壊されていく。
人間だけじゃあない。イノシシ、カラス、雀。俺たちの生活は色んな奴らに脅かされている。
だから、もっと深くに潜らないとならない。誰も来れない深い深い闇の世界へ。
光の届かない影の世界へ。
11/1/2025, 6:57:02 AM