君の麦藁帽子に僕だけの印をつけた。夏の間中、日差しのつよい場所へ出かける度に身につけていた。公園のベンチでアイスを食べる横顔にツバが影を作る。「昨日食べたアイスよりこっちのほうがおいしい。」レシートをペッと僕の太ももに置いた。 次の梅雨が明ける頃に髪型と髪色を変えると、「今の雰囲気には似合わないんだよね」と被らなくなった帽子がクローゼットにしまってある。
8/11/2023, 1:33:07 PM