John Doe(短編小説)

Open App

クラス


画面の向こうで悪の軍団が行進している
『悲惨な歴史を繰り返さないように』
先生は生徒たちに向かってそう言った
誰も真面目に聞いちゃいない
そんなことよりヤりたいだけだ

誰かが僕の机に落書きをした
もう学校に来て欲しくないらしい
ずぶ濡れの上履きが気持ち悪くて仕方ない
誰かの笑い声が聞こえてきた
今すぐにでも帰りたくなった

悪の軍団は真っ黒な軍服が似合う
僕も小遣いで黒いコートを買った
ポケットがたくさんついてるヤツだ
ナイフを忍ばせておくにはちょうどいい
ハーケンクロイツに敬礼する

いつもと同じ時間に起きた
通学カバンの中には教科書は入っていない
コートをはおりサングラスをかけタバコを吸う
そのまま教室まで歩いていく
途中で何人かとすれ違ったけど無視をした

授業開始前に教室に入る
クズどもが一斉に僕を見る
カバンから秘密兵器を、ポケットからはナイフを。
どうした?いつもみたいに笑えよ。
誰一人笑っていない。僕だけを除いて。

7/1/2023, 10:51:38 AM