#枝垂れ桜の木の下で
春になると、校庭の中庭にひっそりと咲いている枝垂れ桜の木の下で、幼馴染の友達と何気ない会話で盛り上がったり、本を読んだり、歌詞のない歌を歌ったり、それに合わせて踊ったりしていた。
気付けば、友達といない時でも中庭で過ごすことが多くなっていた。
でもやっぱり、友達は私たち以外にもできるもので、ずっと一緒にいることはできない。
学年が上がるにつれて、次第に4人で過ごす時間は少なくなっていった。とうとう5年生になる頃には話すこともなくなっていた。
そうしているうちに私たちは6年生になって、あっという間に卒業の日がやってきた。
卒業式が終わったあと、なんとなく中庭に行ってみると、まだ私達が仲良かった頃の光景が蘇ってきて、自然と涙がこぼれた。
もうあの子達と一緒にこの木の下をくぐることはないけれど、思い出はここに生き続ける。
お題: 秘密の場所
3/9/2025, 8:57:49 AM