愛情
愛してる、だなんて人々は容易く口にする
愛について
深く考えたこともない者から出るその言葉は
まるで、吠える犬のおもちゃのようだ
そこにぬくもりはない
あるのは光の無い黒い2つの目と
作り物の毛皮や、その中にある冷たい電池だけ
見せかけのふわふわの塊に
人はなぜだか騙されてしまう
そしてある日
電池を見つけてしまうのだ
それは悲しい現実である
愛している
その言葉には重みがある
愛する、という行為は簡単ではない
それは相手から何も望まず、与えられるだけの
知識と優しさを与え続けることだ
何をされようと、どんなに辛くても
それだけの忍耐力がある人間はいるのだろうか
ドラマや映画を見て影響された人々が
簡単に口にする、愛している には
なんの縛りも約束もない
そこに責任など無い
ただ自分の欲求の赴くまま、発している
それを都合よく解釈した相手は、また都合よく自分のことを気持ちよくしてくれる人、として好意を示す
現在の世界は、自己愛に塗れている
本当に他者を愛することができる人がいるのだろうか
私はこの世界にこれ以上失望したくない
本物の愛情が存在すると証明してから、死んでいきたい
11/27/2022, 3:18:55 PM