kageru

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喧騒を前にして、
思わず適当な柱を背に辺りを見渡す。

すると、騒々しさは不思議と薄れ
私以外の音や声が全て
この顔を伺う敵に見えてしまう。

だのに冷静を気取る心臓は、
鼓動の度に重くなり、
終には足が止まってしまう。

頭の奥がワーンっと響く。
限界の合図だ。

鉛になった足と心臓を
鼓動が叩き起す。
汗ばむ額とは裏腹に
脳はスッと冷えていく。

身体中で起こる異常に対し
心ばかりは冷静で
静寂とも思える落ち着きが
私を更に嫌悪させる。

閉じた心でも
音まで塞げないのだから
震えが止まらないのだ。



-静寂に包まれた部屋-

9/30/2023, 8:56:31 AM