27(ツナ)

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「最後の声」

大好きだった彼と距離を置くことになった。
大好きだったけど、一緒にいるのが辛くて好きなのに辛い…どうしたらいいかわからなくなった。

大泣きしながら「少し距離を置きたい…。」という私を彼は責めず静かに頷いてくれた。
距離を置けば何かが変わると思った。
けど、結果は変わらなかった。

最後の時、夜景の見える公園で綺麗な景色を眺めながら彼と最後の時間を過ごした。
時間は穏やかに過ぎて別れの時、なかなか帰らない2人。決意したものの彼のことは好き。でも、一緒には居られない。

「…私なんかに無駄な時間を使わせてごめん。」
涙ながらに言うと抱きしめられた。
「そんなことないよ、君と居た時間は最高の宝物だよ。無駄な時間なんか1秒もなかった。」
耳元で聴こえる彼の優しくて綺麗な最後の声。
きっと私はこの声を一生忘れられない。

「こんな私を愛してくれてありがとう。」

6/26/2025, 11:06:23 AM