子供の頃はただ一緒にいて、遊んで、笑い合う。
僕の隣に君がいる…ただそれだけでよかった。
けれどいつしか二人は分かたれ、道を違えた。
大人になるとはそういうことだと、誰かが言った。
子供のままではいられないと、君が言った。
―――…僕は、それが嫌だと言った。
…本当はわかってる。大人になるという意味を。
子供のままではいられない、その理由も知っている。
それでも僕は、君との時間だけはあの頃のままでいたかった。
純真無垢に君を想い、ひたすら君を愛しく想う。
何ものにも囚われず、何ものにも阻まれず、
周囲の視線も、世間の偏見も、何もなかった。
子供のままでいたかった。
そうでなければ、
この恋は許されるものではなかったから…。
【子供の頃は】
〘※未消化お題 4/27分〙
誰もがみな生きる意味というものを探し求めて、そしてそれを死の間際に得るのだろう。
私は、私の死の間際にそれを得られるのだろうか。
冷たい離宮の中で、孤独という寒さの中で、ただ一人誰にも看取られず潰えていくこの瞬間にでさえ、けれどその兆候は見られない。
私はなんのために生まれたの?
私はなんのために死にいくの?
その問いに答える人も、神もなく。
枯れ果てた涙が流れることはなく、声にならない言葉が届くこともなく、凍てついた花は氷漬けのまま粉々に砕け散っていく。
氷花―――それは凍りついた花。
温かい日差しをいっさい知らず、
その美しさにも目に留められない。
彼女の真実は、その死後に知られることとなる。
【生きる意味/氷花】
6/23/2024, 12:11:23 PM