匿名。

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「ねえ、君は今、何を考えてるの?」

「何も」

「ふうん。」


彼は何を考えているのか、全くと言って良い程分からない。

何処か遠くを見たと思えば、ふらっとその場からいなくなるし、感情も生まれた時に置いてきたとでも言うように、何時も真顔で。

…好きな人には笑って欲しい。勿論、笑わせられるよう努力はしているが、やはり真顔のまま。


「私はね、君といれて嬉しいよ。」

「…そう」

「反応うすー笑 まあ、そういう所も好きだけど」


すると彼はバッとこちらを向いて顔を赤くしている。


「え、や、見ないで」

「それは"照れる"って感情だねえ。一つ感情を知れたじゃん。やったね!」


そう言うと、彼はふはっと吹き出して、


「何それ、僕に感情が無いとでも?」


勘違いされちゃあ困るなあ、と言う。
勘違い…?何それ。何時も真顔なんだもの。そう思うに決まってるじゃない。


「…逆にあるの?」

「あるさ。だって君が好きなんだもの」


と言って私の両頬を大きい手で包む。


「僕と付き合ってくれる?」

「…喜んで」


私はそう答えた。
だって、好きな人にそんな真剣な眼差しで言われたら、断れないじゃない。











    ───────フィクション───────







2/26


今回はサクッと読めるような長さに…
創作、楽しかったです。


                     匿名。

2/26/2024, 10:38:07 AM