世界一優しいと噂される、盲目の紳士がいた。
彼は驚くほど女性にモテた。街を歩けば香水の香りが集まり、甘い声が彼を奪い合った。
「あなたは本当に素敵」
そんな言葉を浴び続けるうちに、男は自信に溢れた。
やがて運命の日が訪れる。
医療手術を受け、男の眼は光を取り戻したのだ。
(ああ、世界はどんなに美しいだろう。僕を愛した彼女たちは、どれほど輝いているんだろう)
期待に胸を膨らませ、男はゆっくりとまぶたを持ち上げた。
視界に真っ先に映し出されたのは、病室を埋め尽くす女性たちの姿だった。
しかし、男は凍りついた。
そこにいた誰もがみんな、目を疑うほどのブスだった。
『誰もがみんな』
2/10/2026, 11:16:52 AM