猫灘

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明日に向かって歩く、でも

 明日なんて存在しなかった。
どうやら地球はもう終わりらしい。大地は枯れ果て緑は消え砂だらけになり、海水は蒸発し、魚たちは死に絶えた。雨は降らず気温は五十度を超え防護服を着なければ外を歩くことはできなくなってしまった。
それでも希望はあるのだろうか。
いつ死ぬかもわからないこの世界で僕は明日に向かって歩けるのだろうか。
ああ、美しかった緑が恋しい。透明な海が恋しい。冷たい雨粒が恋しいのだ。

1/20/2025, 11:04:40 AM