とあるところに一人の男がいました。
男は生まれた時からひとりぼっちで、
誰も友達にはなってくれませんでした。
男の部屋にあるブラウン管テレビから
こんな歌が流れてきました。
『友達100人目指そう!隣人も友人♪
怖がらないで~歩み寄って〜
さあみんなで手を繋ごう♪』
そうだ、自分から歩み寄らねばいけなかったんだ
それから男は老若男女とわず捕まえてきては
無理やり自分の友達にしました。
男の杜撰な縫合技術により、彼らの手と手を繋ぎ合わせ、ひとつの輪を作り上げていきます。
そして月日は経ち、
男は友達100人作ることに成功したのです。
彼らは仲良く手を繋いで男を取り囲みます。
冷たくなった友達の輪の中で
男は幸せそうにいつまでもいつまでも踊り続けました
おしまい
お題「手を繋いで」
12/9/2023, 2:11:20 PM