花とコトリ

Open App

「もしも未来を見れるなら」

もしも、ほんの少し先の未来が見えるとしたら。
今日の夕飯がマカロニグラタンであることを、私は朝から知っている。
焦げたチーズの匂いや、スプーンを通した時の白い湯気。
そんな些細な幸福を先に「確認」してしまったら、今という時間はどんな色になるだろう。

足元では、愛犬のクロが寝息を立てている。
この子がいつか年老いて、私の隣からいなくなる未来。
それが見えないからこそ、私は今、クロの温かい背中にそっと手を置くことができる。

未来を知ることは、きっと魔法じゃない。
知らないからこそ、私たちは今日という日を、
一皿のグラタンを、
たった一度のまどろみを、
大切に慈しめるのだと思う。

4/19/2026, 2:55:09 PM