「真昼の夢」
たまにものすごく現実的な夢を見ることがある。
そういった夢を見るのはたいてい昼間にウトウト微睡んでいる時だ。
夜中に見る夢は覚えていないのに、真昼の夢は起きた後もはっきりと内容や会話まで覚えている。
僕はその夢の内容を日記につけてみることにした。
読み返すと、夢の中の自分は普段の自分とはだいぶかけ離れた行動をとっていた。
酔って人に殴りかかったり、隣の住人に暴言を吐いたり、人にわざとぶつかって怪我をさせたり。
迷惑行為ばかりをしていて呆れたが、普段ならできない不道徳なことを夢の中で思う存分できて気分が良い気もしていた。
そんなある日、自宅に警察が来た。
「貴方の数々の迷惑行為は全て防犯カメラに残っています。署で詳しくお話を聞かせていただけますね?」
映像を見せながら警官は僕に詰め寄った。
全く身に覚えがなかったが、日記に書いた夢の内容とあまりに酷似していた。
僕が見ていたのは真昼の夢なんかじゃない、紛れもなく現実だったのだ。
一体いつから、夢と現実の区別がつかなくなっていたんだろう……?
7/16/2025, 10:59:13 AM