光を見る。
まぶしくて君が影になる。
だから僕は気が付かなかった。
君が笑っているのに涙を流していることを。
/1/24『逆光』
蝶になった夢を見た夢を見た。
夢の中の夢。
僕は果たして人間なのか蝶なのか、はたまた――
/1/23『こんな夢を見た』
タイムマシーンがあったならば
私はあの日をやり直したい
あの日をやり直したいと思ったならば
今そのやり直しからも
ここにたどり着いてしまったと思えばどうにかなる
と思えればいいのに
/1/22『タイムマシーン』
今日はようやく誰もいない。
彼の秘密を暴くチャンスがきた。
カツンカツンと靴の音が響く。
じゃらりという鍵束の重さが、怪物の唸り声のように響き渡る。
(1度だけ。たった1度だけでいいの。彼の秘密を知りたい)
何をしても許してくれる夫の、たったひとつの言いつけ。
『この鍵束の一番小さな鍵。これは地下室の一番奥の鍵。どの部屋の扉を開けても構わないが、この鍵の部屋だけは開けないように』
カツンカツンと靴の音が響く。
誰かの泣き声のように、高く、私を囲い込むように響き渡る。
誰にもバレないようにと一番小さなろうそくを使って来たので、明かりがそろそろ消えそうだ。
(早く開けなければ)
ゆらゆらと心もとなく揺れる炎が消えないようにしながら、私は鍵束の中から一番小さな鍵を探しだす。
(あった!)
やっと小さな鍵を見つけたと思った瞬間、
ガシャン!
鍵束を落としてしまった。
慌てて拾おうと屈むと、ちょうど照らされた小さな鍵がみるみる紅く染まっていくのが見えた。
私の平和が終わる、最後の夜だった。
/1/21『特別な夜』
1/24/2026, 4:59:51 PM