『遠くの空へ』
君が為誰が為
ふと呟いた私の言葉に彼は気づくわけなく、私は電波に音を乗せる。
はぁ、と何度目か分からないため息をつき、もう二度と会うことのない彼に最後のキスを贈る。
曇り空は涙を零し、雷雨は頬を割く。
彼のことを愛していたかといえば、愛していない。
ただ答えはなく、運命といえば綺麗事のように聞こえて、偶然といえば私は耳を塞ぐ。
絵空事のような出来事に浮かれていただけだ。
雲ひとつない澄んだ青空はどこか冷たかった。
彼と目が合うわけでもないのに私は、ただ、その空をぼんやりと眺めた。
4/13/2026, 6:54:49 AM