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時を止めて 冬支度 です。


時を止めて

「このまま、時を止めてキミを抱きしめ続けたら、僕の気持ちは、キミに届くかな」
ズルい。ってわかってる。失恋して、僕の胸で泣くキミに、そんな気持ちを抱くのは。
「でも今のままじゃ、いつまでたっても、僕は仲の良いお隣のお兄ちゃんだから」
好きだ。と気持ちを伝えたこともある。けれど、妹としてでしょ。と、わかってもらえない。だから
「時を止めて、キミが僕の気持ちをわかってくれるまで、ずっと抱きしめ続けたい」
泣き続けるキミの髪を撫でながら、想いよ伝われ。と願うのだった。


冬支度

夏物をしまい、冬物を出す冬支度。
昼間はまだ温かい日があるものの、朝晩は寒く、薄手の物では肌寒かった。
「よいしょ。っと」
厚手の毛布、掛け布団を出すと、そばで見ていた彼女が飛びつく。
「そんなに寒かったの?」
「ニャア」
毛布の上でゴロンと伸びる彼女を見ていたら、気持ち良さそうで、誘われるように、僕も彼女の隣に寝転がる。
「このまま少し、休憩するか」
横になった僕の腕を枕に目を閉じた彼女につられ、僕も目を閉じたのだった。

11/12/2025, 9:02:58 AM