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〈旅路の果てに〉


晴れ渡った空の下、季節は冬が明けたばかりで、風にはまだ肌寒さが残っている。
ふと足元に目を向けると、小さな花がいくつか咲き始めていることに気づき、俺の胸は少しだけ高鳴った。
花といえば、俺がまだ幼い頃旅に出たいと決めたあの日、幼馴染からシオンの押し花をもらったことがあった。
もともと本を読んでばかりいた俺のために、わざわざ「しおり」にしてくれたのが、たまらなく嬉しかったのを覚えている。

こんなふうに昔のことを懐かしんでしまうのは、きっとこの長い旅路がもうすぐ終わろうとしているからだろう。
こみ上げてくる寂しさもあるけれど、それ以上に、俺はあいつに――幼馴染に、これまで僕が見てきた世界や、旅の仲間たちの話を伝えたくてたまらないのだ。
本当は、あいつも一緒に行くはずの旅だった。
けれど、もともと病弱だったあいつは、俺よりもずっと先に、遠いところへ旅に出てしまった。
俺もまだ見たことのない場所へ。

そこがどんなところかは分からないけれど、どうせならあいつの好きな花畑があればいいな……今でこそそう思えるが、当時はひどく取り乱したものだ。「どうしてあいつなんだ」と。あいつにはまだ見たことのないものがたくさんあって、これから一緒に見ようと約束していたのに。
それでも、結局俺はあいつには敵わないのだと思い知らされた。遺された手紙を読み、俺は一人で旅に出ることを決めた。

そしてようやく、俺の旅にも終わりが来た。あいつは一体、どんな顔をするだろうか。
怒るだろうか。「来るのが早すぎる」って。
「もっと多くのものを見てきてほしかった」なんて、そんなふうに言うだろうか。
ああ、早く話がしたい。また昔のように笑っている君に会いたい。

俺がこの目で見てきたもの、この旅路の果てに見つけた景色は全部、すべて君に贈るための贈り物だ。

1/31/2026, 10:52:18 AM