陽 菜 美

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「神様へ」

僕は普通とはかけ離れた家にうまれた。

小さい時から毎日、毎日リビングから両親の怒鳴り声、何かを殴る音、壊す音が響き渡る。

僕はビクビク震えながら部屋に閉じこもっている毎日だった。

リビングに降りれば両親に八つ当たりされ、学校ではクラスの空気に馴染めなく、僕だけが浮いていた。

頼れる相手も居なく、孤独な日々を過ごしいた。

そんな中、両親が離婚した。

母も父も僕のことは要らないらしく、どちらにも引き取られなく、そのまま部屋に一人残された。

本当に一人になってしまった。

僕は一人で生活することになり、高校生になると同時に引越しをした。

高校では親友と呼べるような友達もでき、部活には金の問題で入れなかったが、バイトを4個掛け持ちしなんとか生活できてた。

それから3年間、毎日笑いあって幸せが溢れる日々を過ごしていた。

でも母が何故か知らないはずの僕の家に押し掛けて金を請求してくる為、仕方なく毎月3万をやっている。

そんなこんなありながらも、卒業式を迎える春になった。

卒業式を迎える3日前に親友が交通事故にあった。

しかも親友を轢いたのはいつしか出ていった僕の実の父親だった。

腹が立ってしかたない。父親が憎い。

涙すら出てこない。出てくる暇もないくらい怒りが込み上げてきた。

嗚呼、神様がいらっしゃるのなら父親の存在を無かったことにし、親友に会わせてください。あとは何も要りません。

この台詞を毎日、毎日唱えている。

いつまで待っても叶わない事ぐらい分かっている。でもそうでもしないと僕のテープでぐるぐる巻きつけた今にも砕けそうな脆くなった心が持ちそうにない。











4/14/2024, 1:55:45 PM